ニートが月日を重ねて年を取りやがて老いていく

月日の流れは残酷で人々の面妖をガラリと変えていきます。

今はまだ青年の部類に属している若手ニートもやがて老いて中高年ニートになります。

日々の生活の糧となり保護者となる両親もいつの日か老いてこの世からオサラバする日もくるでしょう

その時、残されたニート達は一体どうなってしまうのでしょうか?

ニートと血縁関係でもある直系の兄弟達が彼らのニート人生を全うできるまで面倒をみてくれるでしょうか?

今回は親御さんが亡くなり一人残されたニートが人生の最終局面を乗り超えるためにはどのような方法があるのか一緒に考えてみました。

ニートがいらっしゃる親御さんも是非一緒に考えてみて下さい





ニートが生き延びるには


ニート歴が長くなるほど社会復帰が難しくなります。それと比例して親御さんの体力、気力も衰えていき

将来に対しての展望がもてなくなります。

現在なし崩し的にただ日々を重ねているだけではありませんか?

日々の生活が惰性になると客観的に物事を考えることができなくなります。

ニートの人生を客観的に考えて人生をどう全うするかを考えてみて下さい

大切なことは現実を直視することです。

将来は就職して立ち直るとか・・・

もう少しすれ状況が変わるとか・・・

それは希望的観測でしかなく現実を直視していない妄想です。

まずは現実を認識してニートが人生を全うできるまでの期間を生きていけるだけの親の資産・収入があるかを考えることです。

ニートの就労環境を理解する


現在のニートの就労状況はどうでしょうか?週に2~3度アルバイトをしている人から

全く部屋から出なく収入がない真性ニートもいます。

ニートの親世代は日本が高度成長期~バブル期を体験した世代でもあり

世の中は正社員で会社にバリバリ働くのが普通という固定観念を持ち合わせている人も多数います。

かっての日本社会は正社員主体の会社組織を形成してきました。

終身雇用・年功序列といった就業規則はその当時の名残かもしれません

しかし新卒一括採用で選外になったり 

就職しても労働環境の悪化により一時会社を離れることもあります。

誰が考えてもアルバイトや派遣労働者よりも正社員の方が安定しているのは解っているのですが

そのような状況に陥ったあと復活・リベンジして正社員になる事は至難の技です。

日本社会はいったん落ちると這い上がれない厳しい世界になってしまいました・・・

そんな社会状況もしらず親世代は正社員で働けとかもっとシッカリしろといった

無言の圧力をニートに与え続けているのかもしれません

まずはアルバイト・パート・派遣でもよいので定期的な収入を得る方法を目指すべきです。

理想だけをハードルを上げて登れない山を登ろうとするのは危険です

就労できていないニートにその壁を登らせることは危険な行為です

まずはニートの収入が今後も0円であると仮定して生活設計を考えていきましょう

もし仮に今後、ニートがやる気をだしてアルバイトなどで収入を得られる方向に変化できれば

それは生活設計の上方修正になると考えましょう

働けない状況が続いても一生涯において生活していくだけの資産があれば人生を全うできます。

よくサラリーマンの生涯賃金が2億円と推定されていますが

一人の人間の平均余命が男の平均寿命は79.64年、女の平均寿命は86.39年になります

厚生省平成22年簡易生命表より

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life10/01.html

男性が16歳でニート生活に突入した場合で現在36歳だとすると残りの平均余命は43年になります。

親御さんの年齢が父母とも60歳だとして残りの平均余命は父親19年 母親26年になります。

ニート男性の平均余命(43年)-母親の平均余命(26年)=17年

つまり父母ともに亡くなりニート男性が天寿を全うするまでの17年間の生活費があれば何も問題はないのです

親の資産の考える


ニートが親御さんが亡くなった後に生活を維持していくためには

まず親御さんの資産状況を確認することから始めましょう

資産には現金預貯金と不動産の2つに分類します。

まずはニートの住まいを確保できるかが大切であり

賃貸暮らしの場合は将来を見据えて中古物件の購入も視野に入れておいたほうが良いかもしれません

ニートが一人で暮らして行くのにはそれほど大きな住宅や物件は必要でなく

豪華なマンションや一人の住むには大きすぎる住宅を確保していても一人で住むには無用の長物です

できればコンパクトな平屋建てやワンルームタイプのマンションの方が良いかもしれません

賃貸や大きな住宅は将来にわたり修繕費や管理費などのランニングコストが必要になるので

それらの諸経費をどれだけ圧縮できるかが肝心です

不動産の時価を調べる


住宅やマンションの価格は立地、築年数などの条件により変わります。

しかし目安として実際の価格を知ることは重要な事です

持ち家やマンションが高値で売却できるのならニート用の住居を確保した後の

生活費に充当できるからです

住宅の価値を調べる方法

固定資産税明書を利用する

持ち家の場合は4月~6月の頃に固定資産税納税通知書が送付けされます

その通知書のなかに固定資産税明細書が同封されておりこの明細書には「価格」という項目があります。

この評価基準では、評価額を相場の70%水準として決められています。

つまり明細書の価格を0.7で割るとその不動産の本来の価格が大まかに計算できます。

固定資産税評価額が分からない場合は住所地所などの役場で確認します。

またネットでも調べられます。

全国地価マップというサイトで

住所を入力すると固定資産税路線価格が解るので大まかな金額は把握できるでしょう

https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal

固定新税の明細書が手元にある場合

価格÷0.7=本来の不動産価格

固定資産税の明細書が無い場合

固定資産評価額÷0.7=本来の不動産価格

役場で固定資産評価額を確認する

路線価格を利用する(土地のみ)

路線価格は道路に接している土地1㎡当たりの価格を表している

単位は千円 

路線価格と土地の面積が分かれば次の計算式がでる

路線価格×土地の面積÷0.7(実勢価格)=本来の不動産価格

土地が複数道路に面している時は一番高い路線価格で計算すればよい

また住宅ローンの残高が残っている人はその残高を確認します。

住宅ローンのご契約時にお預けいただいた方には、その契約を結んだ年以後控除期間中、毎年郵送する

融資額残高証明書を確認します。通常は毎年10月頃発送されるようです

また住宅ローン取扱の金融機関でも返済中のお客さま専用ダイヤルがあるので融資額残高証明書が

見当たらない場合は直接問い合わせてもよいでしょう

仮に住宅をコンパクトな物件に買い替えたりした場合は負債を返金してもある程度の資金が残ることになります

これが不動産・土地の資産になります

預貯金、株式などの調べる

普通預金・定期預金は銀行の通帳を記帳して残高がいくらあるのか調べます。

財形貯蓄などは毎年3月、9月の残高が記載されて届く残高通知書を参照します。

有価証券などの債券や株券、投資信託などは証券会社に問い合わせて現在の取引相場から現在の値段を算出します。

保険などは保証内容によっては解約した時に返金される解約返戻金額を参考にします。養老保険や終身保険などの貯蓄性のあるものは

解約すると返金される事も多くあります。

親の資産の合計をまとめる

これまでに調べた不動産や株式、預貯金の合計と住宅ローンなどの負債の合計を出します

資産の合計-負債の合計=現在の純資産

この純資産をもとにニートが人生を全うできるか考えます

親の定期収入

親御さんの資産が大まかに分かったと思います

次に親の定期収入がいくらあるのか調べます

まだまだ現役で給与所得がある場合や厚生年金、国民年金など生活費が年間を通していくら入ってくるのか

またその年にいくら出費がかさむのか調べて下さい

普通預金の記帳だけでも大まかなお金の流れがわかります。

黒字なら普通預金の金額が少しずつ増えていることでしょう

逆に定期預金などを取り崩しているようなら赤字と考えて下さい

収入について

現役で働いているかたは給与明細書や源泉徴収票などをみてください

総支給額ではなく税金や社会保険料を差し引いた手取り額を確認します

年金の場合は毎年6月に送付される年金振替通知書に記載されている控除後振込額を確認します。

その他の定期収入がある場合は通帳に記帳してどれくらいの金額が振り込まれるのか確認します

支出について

支出については家計簿を記入していないと、どのようにお金が使われているか分かりづらいです。

簡単な方法は買い物をした時のレシートを毎日、小箱などに集めて月に一度計算します。

数ヶ月を続けると毎月いくらくらい食費や日用品に使われているのか平均が出せます

また光熱費でもある電気・ガス・水道・通信費も請求書を確認すれば把握できるでしょう

毎月にかかる食費・日用品・電気・ガス・水道・通信費が固定費になります。

また特別事情で出費があると思いますが変動費になります。

ニートの場合の変動費は思わぬ事故・病気などの場合でしょうか

固定費+変動費=生活費になります

無駄を削る努力が必要になります

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ニートの収入について


ニートなお子さんが65歳未満の場合は親御さんの経済力で生活することになります

しかしニートが65歳になった時に国民年金保険料を支払ってしれば65歳以降は定期的な収入源になります。

住居が持ち家で賃貸料が発生しなければニートが一人の生活費を7万円と仮定します

国民年金と生活保護の生活費を比較してみます

生活保護には様々な扶助金の種類(住宅扶助や医療扶助)などがありますが

生活に必要な生活扶助がいくら位になるのか調べます。

生活保護の支給額で計算した場合の生活費を計算します

市町村の等級数を3級-2・ニートの年齢を60歳と仮定

生活扶助基準 第一類 基準額① 60~69歳 27980円  基準額② 30620円

人員 1名 逓減率 1倍

生活扶助基準 第二類 基準額① 60~69歳 33660円  基準額② 32040円

(生活扶助基準 第一類 基準額① × 1)+ 生活扶助基準 第二類 基準額① × 2/3 = A 41093円

(生活扶助基準 第一類 基準額② × 1)+ 生活扶助基準 第二類 基準額② × 1/3 = B 20886円

A + B が生活保護を受給した場合の生活に使用する生活扶助額になります 61979円

「生活扶助基準(第一類+第二類)①×0.9」より少ない場合は、「生活扶助基準(第一類+第二類)①×0.9」に読み替える

生活保護の場合はこの他に住宅扶助や医療扶助などがありますが日常にかかる費用だけを考えます。

生活する場所によっては市町村の等級数が1級~の地域は生活扶助は高額になります。

国民年金の支給額

国民年金を65歳まで支払っていれば満額で年間77万9300円(平成29年度)になります。

月々に換算すると64941円になるので65歳以降の生活費の大部分をカバーできることでしょう

生活保護の生活費に当たる生活扶助額 月々61979円 国民年金 満額支給 月々64941円

ニートが生活できる住宅を確保していれば最低限の生活費は7万円弱になります。

以上においても生活費だけを考えると生活保護と国民年金を満額で貰った額に差はありません

生活保護を支給してもらうには様々な要件がありニートが申請してもすぐに支給されるかは疑問です

それよりも確実に収入が得られる国民年金は親の死後にニートが収入を得られる手段として

確保しておくべきでしょう

老齢基礎年金が受給できるかどうかでお子さんの老後の生活設計が大きくかわります。

ニート生活が長くなると国民年金保険料は滞納しがちになる方も多いようですが

失業などの場合は保険料を保険料免除・納付猶予してもらえるケースもあるので検討する余地はあります。

私も失業時には市役にいき事情を説明して国民年金を免除してもらったことがあります。

未納と免除ではどちらも保険料を納めていない状態ですが

国民年金免除を受けた状態なら保険料を免除された期間は、

老後年金を受け取る際に1/2(税金分)受け取れます。

(手続きをしていただけず、未納となった場合1/2(税金分)は受け取れません。)

親の死後のニートのサポートについて


ニートが普段の食事から住居や光熱費など社会生活を営む上での手続きなど

ニート生活を維持するには様々ことが必要になります。

親御さんが存命なときは支障になりませんが

親がなくなった後はすべてニートがしなくてはなりません

このため親の死後に社会的な手続きをする上でニートは苦労をする事が多いのです。

仕事をしないだけで外出は普通にできる社会不全ニートなら役場や銀行などの手続きなどは

普通にこなすことができますが

部屋から一歩も出ない状態が続いている真性ニートの場合

他人と会話することも困難になるかもしれません

人と話すときは頬の筋肉を動かし発声する口の形にするのですが

人と話すことを数ヶ月~数年以上行っていない場合は頬の筋肉が低下して

上手く声を出すことも困難になります。

このような真性ニートの場合は兄弟姉妹がサポートしいただくのが良いのですが

引き込もっている兄弟に関わりたくないような感じで兄弟間の仲も悪くなっている場合があります。

そのような場合は成年後見制度を利用して第三者にニートの社会生活をサポートしてもらう手続きをしておきます。

ニートの財産管理や商取引などを社会生活では必要に行為をニートの代理で行って貰うことにより

社会生活が支障なくおくれます

成年後見制度

成年後見制度とは判断能力が低下・不十分な状態の人の不動産や財産を管理したり悪徳商法に引っかからないように

保護、支援する制度です。ニートの場合は社会生活から隔離されている期間が長く世間知らず

になっているため財産などが親の死後に誰かに騙されないようにストッパーをかけて置く必要があります

成年後見制度 法務省より

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html#a1

この制度には任意後見制度と法定後見制度の2つがあります。

お子さんに判断能力があるのなら任意後見制度

判断能力が不十分なら法定後見制度を検討します

法定後見制度

後見、保佐、補助の3つに分かれており、判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選べます。

後見とは判断能力がかけているのが通常の状態の方の場合です(判断能力が著しく欠けている)

保佐とは判断能力はんだんのうりょくが著しく不十分な方の場合です(判断能力が著しく不十分)

補助とは判断能力はんだんのうりょくが不十分な方の場合です(判断能力が不十分)

判断能力の軽い順から並べると

補助→保佐→後見になります

違法スレスレの商取引など生きていると様々な誘惑や商取引があると思います。

普通の人間でも騙されたり、間違いを犯すことが多いのが現実です

そんな誘惑だらけの法律行為を取り消したり本人に変わって保護支援するのが

法定後見制度になります

法定後見人として選任される人物は、弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門家の方々がなるケースが一般的です。

これは、家庭裁判所が選任するため、本人の親族や知人が選任される事はありません。

参考

基本報酬
(1)成年後見人(保佐人、補助人も同じ)

管理財産額
1000万円以下            月額2万円

1000万円超5000万円以下   月額3万円~4万円

5000万円超              月額5万円~6万円

(2)成年後見監督人(保佐監督人、補助監督人,任意後見監督人も同じ)

管理財産額
5000万円以下            月額1万円~2万円

5000万円超              月額2万5000円~3万円

監督する財産が大きいほと費用は大きくなります

平成25年1月1日 成年後見人等の報酬額のめやす

東京家庭裁判所 東京家庭裁判所立川支部より

http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/130131seinenkoukennintounohoshugakunomeyasu.pdf

親族が後見人になる任意後見人より専門家に依頼した法定後見人の方が費用は高くなります。

任意後見制度

任意後見制度とは本人が十分な判断能力があるうちに将来判断能力が衰えた時に

あらかじめ自分が選んだ代理人に財産管理などの事務の代理を頼む契約です

公証人を立てて公正証書を契約しておくので安心です

公証制度とは私的な法律紛争を未然に防ぎ、私的法律関係の明確化、安定化を図ることを目的として

証書の作成等の方法により一定の事項を公証人に証明させる制度です

公正証書とは公正な第三者である公務員がその権限に基づいて作成した文書で文書の成立について真正であることを

確定します。契約等で定めた約束に違反した場合は行政による執行力を有します

任意後見契約を締結する際には、必ず公正証書によらなければならないものとされています

法務省より
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji30.html

また任意後見人を監督する任意後見監督人も

任期後見人は自分たちで選ぶことができ法定後見人は家庭裁判所が決める

家庭裁判所が任意後見監督人を決めようやくそこから任意後見人のサポートが開始されます。

任意後見監督人は任意後見人の仕事をチェックするのが役目です。

また緊急時には任意後見人の仕事を代行することもあります。

任意後見人の報酬は、民法上の委任契約で決められます。報酬額も任意での取り決めをするため

明確な基準も法定後見人のように家庭裁判所が決定することもありません。

サポート内容は財産を管理することお子さんの代わりに契約を締結しすることの2つです

具体的には年金や預貯金の管理、生活費の送金や物品の購入、入院や介護サービスの手続き

その支払、税金や公共料金の支払い不動産の管理などがある

気を付けなくてはならないのがサポート内容にお子さんの身の回りの世話は含まれていません

あくまでも財産管理や商取引に関しての代理、サポートです

普段の食事、洗濯など日常生活に関してはニート本人が親の死後に一人でもできるようにしておく必要があります。

まとめ

ニートが親が死亡したあとの生活を考えるとまず

親の資産・不動産額を確認してニートの余命まで食いつなげるか確認する

足りない部分は不動産などの資産を現金化する

ニートが住むであろう住居を確保する

今現在すんでいる住居の価格を調べてニート用のコンパクトな物件に住み替えても

現金が残る場合は将来を見据えて住替えを検討したほうがよい

賃貸よりの中古の住宅でもよいのでランニングコストのかからない住宅を手配する

ニートが普段生活する月々の生活費を計算して国民年金が満額で貰える65歳までの資金を確保する

ニートが高齢になった時に収入源となるであろう国民年金の支払い状況も確認しておく

将来に備えて財産の管理などの後見人制度を利用して確実にニートに渡るように手配しておく

ただし後見人は財産管理や商取引の事務手続きはするが普段の世話はしないので

自分一人でも食事や日常生活を支障なく送れるように訓練をしておく

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